Generalist and Specialist
わが国に必要なgeneralistとは?
塙 嘉之
1,2
1日本プライマリ・ケア学会
2東邦大学小児科
pp.207
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900762
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少し古くなるが,WHO, Regional Office for Europe の報告書(the role of the primary physician in health service,1970)によると,primary physician (general practitioner)は医療のファースト・コンタクトを担当し,継続的,包括的ケアを提供するものであり,患者自身の他に家族やその地域を含めてのサービスを行う,としている.これに対して,specialist とは特別な教育を受けて,特定の疾患群あるいは年齢を限った患者を診療するもの,とある.
本稿のgeneralistをかりに米国のfamily physicianあるいはイギリスやカナダ,オーストラリアのgeneral practitionerと同じと仮定してその守備範囲を考えてみる.手元のFamily Medicine (RB Taylor編第2版)の記載によると,family medicineの対象とする患者は各ライフステージ,つまり結婚前の健康相談からはじまり妊娠,分娩,新生児,乳児,幼児,学童,思春期から老人に至っている.救急疾患はもちろん,各臓器の疾患や各種の心身症,行動異常,薬物依存,家族の死別,離婚,被虐待,放置への対応および各種慢性疾患,障害の継続的管理,そのほか診療所の管理運営,往診,学校医,産業医としての役割などを記している.
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