こどものsocial medicine 病気とともに積極的に生きる
登校拒否―2.どう変わってきたか―社会状況とのつながりから
吉川 武彦
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所
pp.169-171
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900755
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登校拒否・不登校を数字でみることは大変に難しい.というのも,根拠となる数字が乏しいというだけでなく,その数字の根拠になる「定義」が時代によっても違うし,地域によっても違うし,さらに調査している機関によっても違いがあるからである.一般的には,文部省学校基本調査の長期欠席児童・生徒(年間50日以上の欠席)に関する調査から"学校ぎらい"を抜きだした数字がよく用いられる.1965年頃からその数字が内数で上がっているが,当時は中学校と小学校を併せて約17,000人ほどであった.この数字はほぼ1975年頃までは幾分の上下はあるものの減り,1977年には約13,000人ほどであった.その後この数字は急上昇を続け1980年には約17,000人に,1985年には約32,000人,1990年には47,000人以上を数えるに至っている(図1).
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