コレンスポンデンス―読者の声
総合診療の必要性④
渡辺 珠夫
1
1下田診療所
pp.139
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900740
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17歳の男性,左悸肋部の疼痛を主訴として来院.回盲部にはappendectomyの手術の痕あり.病歴聴取により術後の癒着による麻痺性イレウスの既往があった.尿の潜血,尿血アミラーゼ,超音波検査から,尿の潜血陽性所見,超音波検査による右腎盂,腎杯の拡張所見が認められ,尿管結石が強く示唆された.
さて,治療に当たり,ウロカルンなど投与を考え,イレウス発症の可能性に思い至った.たしかに,チアトン,コスパノンなどは,教科書的な治療薬としてはよいが,投与に当たっては,患者の病歴聴取による既往歴の有無,服用薬剤の有無,使用薬剤の副作用,禁忌,相互作用などの知識に照らし合わせた若干の心配りが患者の病態の予後を明るく変えることも多い.本症例の投与に当たり,結局,インダシン坐薬を用いて経過を見ることになったのであった.
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