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特集 皮膚症状から全身疾患を探る
その他のよくみられる皮膚症状
皮膚瘙痒症
Pruritus Cutaneus
清水 宏
1
1慶應大学皮膚科
pp.44-45
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900708
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- Abstract 文献概要
■皮膚癌痒症は皮膚に原発疹がなく瘙痒のみを訴える疾患である.したがって診断を下す前に全身の皮膚を十分に観察し,発疹を見逃しやすい蕁麻疹や疥癬など,他の瘙痒性皮膚疾患を完全に除外する必要がある.瘙痒のみから安易に皮膚瘙痒症と診断するのは危険である.
■皮膚瘙痒症の基礎疾患として,内科的異常がみられることがある.糖尿病,肝疾患,腎不全,悪性リンパ腫をはじめとする悪性腫瘍,精神神経症などの存在を常に考慮する必要がある(表1).
■皮膚瘙痒症の皮膚所見としては,掻爬による掻爬痕,苔癬化などの続発疹があげられる.
■皮膚瘙痒症と診断した場合,まず基礎疾患の有無を確認する.もし基礎疾患が見つかればそのコントロール,および瘙痒に対する対症療法を行う.
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