JIM Lecture
臨床医に役立つカウンセリングの基本
岡部 憲二郎
1
Kenjiro Okabe
1
1天理よろづ相談所病院心療内科
pp.435-437
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900441
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はじめに
ムンテラという言葉がある.現代では単に医師の患者に対する病状の説明や治療法の了解を得る際に用いられることが多いが,ムンテラの本来の意味はドイツ語のMund Therapie,すなわち言葉を用いた治療的な行為,である.すなわち,薬物療法や手術と並んで治療法のひとつであり,医療を行ううえで欠かすことのできないものである.
ではムンテラとカウンセリングはどこが違うのであろうか?共通する部分は多いが前者が治療を施すという医療モデルであるのに対して,後者は相手自身の成長を促すという成長モデルにあたることであろうか?
いずれにせよ,どんな病気であれ患者の心理状態や医師患者関係が治療経過に影響を及ぼす.したがって,よりよい医療を行うためには,特に慢性疾患患者のケアをする時などには,カウンセリングの基本姿勢と技法を学んでおくことは大変役立つ.
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