醫藥随想
アメリカ便り
若松 榮一
1
1厚生省公衆衞生局防疫課
pp.83
発行日 1951年8月15日
Published Date 1951/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200901
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5月6日にロスアンゼルスに上陸し,5日ばかりそこで暮して市の衞生局,病院,保健所などを見,南に下つてニユーオルリアンスで1日見物しMississippiのJacksonという所で東京都の小石川保健所の岡西順吹郞さんらと一諸になつて,一週間も話をきかされ,少し上つてAtlantaという所でStateの傳染病の連中,性病の連中とあい,又病院や療養所を見せてもらいました。Washingtonは第4週のコースでしたが,こゝは客ずれして一番つまらない所でした。
矢張り,百聞は一見にしかずで,方々歩いて見てまわると教えてくれる"講義"はさつぱり分らなくても大體仕方の方向が分つて來ました。傳染病や性病豫防の仕事はアメリカさんが日本人にやらせようとしていることがそのまゝ現在のAmericaの問題なのでしょう。特に性病は相當に力こぶを入れています。考え方が似ているというより全く同一なのですがこれを實現する手段になると,ずい分違う樣です。Americaでは厚生省,文部省,勞働省をあわせた樣なFederal Security Agencyの中にPublic Health Serviceがありますが,まことにその名の通りSociql Sgcurityという考えに基いてP.H.Q.Serviceをしているのだという語等に盡きる樣です。
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