Japanese
English
特集 腹痛を見直す
小児・思春期の腹痛
Abdominal pain in childhood and adolescence
弘岡 順子
1
Junko Hirooka
1
1聖路加国際病院小児科
pp.482-483
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900149
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ポイント
・必ずしも腹痛を指していない.
→「お腹がいたい.」が,具合の悪さ・嘔気・甘えの表現である場合もある.言葉以外の表情・動作・体位の観察が,腹痛の有無・程度・場所を知る上で重要である.
・腹部疾患以外に原因のあることが多い.
→腹痛のみに気をとられず,それ以外の症状・所見に注目する.
・腹部疾患であつても典型的な症状・所見がそろいにくく誤診しがちである.
→全身状態(顔つき・機嫌・活気)が少しでも気になる場合は,特有な症状・所見が乏しくとも緊急処置を要する疾患を繰り返し考える.
・生活背景の変化・問題点を探る.
→転居・受験・入園・入学・友人関係など心理的ストレスから,身体症状を生じやすい,しかし,必ず器質的疾患を鑑別すべきである.
・年齢により特有な病態が存在する.
→「小児」は新生児から思春期までをカバーしており,年齢により鑑別すべき疾患のちがいや同一疾患でも経過の著しい違いが存在する.
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