Japanese
English
特集 失神とその前兆
鑑別すべき精神神経症状
Differential diagnosis of syncope and neuropsychiatric symptoms
高木 誠
1
Makoto Takagi
1
1東京都済生会中央病院内科
pp.372-373
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900113
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ポイント
・失神との鑑別が最も重要であり,また最も難しい神経症状はてんかん発作である.痙攣を伴う意識消失であっても,てんかん発作とは限らない.
・TIAと失神はまったく異なる病態で,混同してはならない.他に明らかな局所神経症状を伴わない一過性の意識消失はTlAではない.
・失神と鑑別すべき精神症状として頻度が高いものは,不安発作とヒステリー発作である.不安発作の場合は稀に血管迷走神経反射や過換気(→1)により,真の失神を起こすことがある.
・失神の前兆は,しばしば一過性のめまい感(眼前暗黒感,気の遠くなる感じ)として訴えられる.中枢神経疾患(椎骨脳底動脈不全症,→2)や末消前庭疾患(良性発作性頭位めまい,→3)によるめまいと鑑別するためには,めまいの内容を詳しく聴く.
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