綜説
pre-excitation syndrome
高木 誠
1
Makoto Takagi
1
1京都市立病院内科循環器科
1Kyoto City Hospital
pp.928-940
発行日 1976年11月15日
Published Date 1976/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202970
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I.pro-exeitationの歴史的概説
今日一般に広く用いられているpre-excitationという術語についてDurrerらは心室の一部または全部が,心房からの刺激が正常の刺激伝導系(ヒス・田原系)を通って心室へ伝えられると期待される時期より早期に興奮する現象をpre-excitationと定義している1)。そして今日この症候群に属する最も代表的なものとしてWPW症候群とLGL症候群が知られている。
1930年Wolff, ParkinsonとWhite2)は今日WPW症候群とよばれる11例の症例を報告したが,同じような症例の報告は1915年のWilsonをはじめとしそれまでにいくつかのものが報告されていた3)。その後相ついでWPW症候群の報告が行われたがそのものの本態,発生機序については明らかでなく1930年代には多くの仮説が発表されているがいずれも定説となるには至っていない3)。
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