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特集 ライフスタイルと健康―習慣病への対策
ストレス
Stress
河野 友信
1
Tomonobu Kawano
1
1都立駒込病院心身医療科
pp.266-267
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900078
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ポイント
・ストレスとストレス反応(→1)
ストレス刺激を受け,ストレスが生じると,ストレス反応が起きる.ストレス反応は,身体化して身体反応として表れるか,内面化・体験化して,心理・精神反応として表れるか,行動化して行動の反応として表れるかする.ストレス反応には,正常な範囲から異常・病的な範囲のものまである.病的な身体反応を心身症といい,病的な精神心理反応は神経症やうつ病などである.異常な行動反応としては,自殺や暴力や非行などのような逸脱した行動などがある.
・ストレスと病気
ストレスは,いわゆるストレス病のリスクファクターである.ストレスをリスクファクターとする疾病は数多く知られている.ライフスタイルと関連する習慣病,成人病のほとんどは,そうと言える.
ストレスを疾病との関連でみると,性格行動特性は疾病を引き起こすほどのストレスをもたらす大きな要因の一つである.タイプAや過剰適応,強迫傾向などの性格行動特性と,ストレスの認知に問類のある失感情症や失体感症は,心身症を引き起こしやすい.
・ストレス対処
ストレスのマイナスの影響を少なくするためには,ストレス対処を巧みにし,ストレス要因をうまくマネージすることである.自律訓練法や休養,ときにはトランキライザーなどで心身のリラクゼーションを図ってストレスをケアする.
ストレスへの気付きを高め,ストレス耐性を高めることや,ストレス要因に適切に対処することも重要である.
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