Modern Therapy リプロダクション・エイジ--その発来と晩期をめぐって
精神心理学的にみた思春期と更年期
河野 友信
1
,
保坂 佳子
2
,
森永 優子
2
Tomonobu Kawano
1
,
Keiko Hosaka
2
,
Yuko Morinaga
2
1都立駒込病院内科心身医療科
2都立駒込病院内科心理科
pp.609-612
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206292
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生殖年齢の始まりと終わりを意味する思春期と更年期という概念は,生物学的にみた年代区分であるが,ライフサイクルからみると,この時期は身体的のみならず精神的にも転換期にあたり,年代特有の精神的な問題を担うべき役割がある。
思春期には第二反抗期といわれる現象がみられ,これは一種の発達課題を達成し適応する過程での不安定な心の表現と考えられるが,更年期にも思春期におとらず,更年期の危機といわれるような心理的な重圧がある。思春期と更年期における精神的な発達課題を要約すると,思春期では依存からの自立と自己統合であり,更年期では成熟から喪失への適応ということができる。
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