特集 総合診療医のための結核診療Update
【結核へのアプローチ】
いまさら聞けない結核の基礎知識
重藤 えり子
1
1国立病院機構東広島医療センター呼吸器内科
キーワード:
空気感染
,
発病
,
肺結核
,
肺外結核
,
感染性
Keyword:
空気感染
,
発病
,
肺結核
,
肺外結核
,
感染性
pp.1082-1085
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200101
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結核の感染
結核の感染はほぼすべて空気感染であって,結核菌を含む飛沫核を肺胞まで吸入することによる.感染性の患者が咳をすると,菌を含む飛沫が飛び散り,その飛沫の水分が蒸発して径5μm以下の飛沫核になる.飛沫核は小さいのでなかなか落下せず,長時間空中に浮遊して感染源になりやすい.結核菌は細長い桿菌で,長さは2〜4μmであり,一つの飛沫核に含まれる菌数はせいぜい3個くらいまでである.
感染源になりやすいのは喀痰検査で抗酸菌塗抹陽性,かつ咳をしている患者であって1),さらにその結果できた飛沫核が限定された空間に浮遊している状況において感染が起きやすい.なお,咳を誘発するような医療処置(痰の吸引,気管挿管,気管支鏡検査なども含む)も大きな要因になりうる.このような状況がそろわなければ,感染が起きる可能性は低い.
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