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『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた―重篤な疾患を見極める!』―岸田直樹(著)
大曲 貴夫
1
1国立国際医療研究センター 国際感染症センター
pp.147
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102752
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「風邪」の診かたは,医師にとっての一般教養
研修医たちと接していると感じるのは,彼らが急性上気道炎(以下,本書に倣い「風邪」と表記する)の診かたを知らないということである.市中肺炎や腎盂腎炎,髄膜炎の診療は知っているのに,である.何とも不思議な状況であるが,無理もない.可哀想なことに,医学教育の流れのなかで,風邪を系統的に教わることはまずないのだ.こんなにありふれた疾患であるにもかかわらず,だ.
おそらく多くの医師は,風邪自体を「そんなことは当たり前」として,そもそも医療上の問題として捉えていないと思われる.いわば医療化されることのない,体調不良の一種として捉えていることがほとんどである.しかし当事者である患者が風邪による症状に対して,民間療法では対処不能として医療を求めはじめた時,結果として施される診療の中身は,顔をしかめてしまうものが多い.
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