書評
—岸田直樹 著—誰も教えてくれなかった—「風邪」の診かた—感染症診療12の戦略 第2版
草場 鉄周
1,2
1日本プライマリ・ケア連合学会
2北海道家庭医療学センター
pp.645
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226930
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風邪は毎日遭遇する大切な健康問題であるが,多忙な外来の中でその背後に広がる深みのある世界に思いをはせることはそう多くはない.本書はその風邪を入り口としながら,風邪,そして感染症の診かたを実にわかりやすく具体的に解説した素晴らしい良書である.
第1章では当たり前に思える風邪を主症状ごとに分類し,そのアプローチを明確に説明していく.第2章では風邪として扱われやすい〈発熱+α〉の症状を症状ごとに分類し,同じくそこに隠れているさまざまな疾患について鑑別診断のポイントを強調しながら解説する.第3章では高齢化が進む日本で重要となる高齢者診療において,感染症治療のスタンダードがいかに変化するかに力点を置きながら,12の指針を示す.最後の第4章はインフルエンザ診療に特化したノウハウが語られる.
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