特集 ホスピタリスト宣言
解説|日本型ホスピタリストが次代の病院医療を担う
八重樫 牧人
1
Makito YAEGASHI
1
1亀田総合病院 総合診療・感染症科
pp.109-113
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900464
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Hospitalist創刊号では,「ホスピタリスト宣言」と銘打ち,日本における病院医療に何が必要とされているか,それを専門にするホスピタリストに必要な能力は何かを,主に国内で活躍するホスピタリストである編集委員と議論を重ねながらまとめてきたが,いかがだったであろうか。姉妹誌Intensivistの読者には「解説」を読んでから各章の記事を読むという方もいると聞く。ここから読み始めても全体像が俯瞰できるように,ホスピタリストが必要な背景も含めて再度まとめて解説したい。
患者が入院を必要としている時は,医療面で最も困っている時である。その時にどのような医師が必要か?どのような医療のニーズがあるか?を示したThe Ecology of Medical Care1, 2)という論文があるが,日本でも同様の調査がFukuiら3)によって報告されている。住民1000人が1か月暮らしていると,862人に何らかの症状があり,307人が医療機関を受診するが,入院するのは7.2人で,さらに大学病院に入院するのは0.3人である。7.2と0.3の比は24であり,入院する24人に1人は臓器別の高度専門医療を必要とするが,残りの23人は頻度の高い疾患(コモンディジーズ)で入院することが示される(図1)。大学病院での専門医療よりも,ホスピタリストの守備範囲の医学的問題で入院する患者が圧倒的に多く,患者のニーズが高いことがわかる。
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