みるトレ
Case 14
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
pp.761-762
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102628
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Case 14
患者:70代女性.主訴:左頰部腫脹,疼痛.
現病歴:20歳の頃に両副鼻腔の手術を数回受けた(詳細不明).2カ月ほど前から左頰部の腫脹と疼痛を自覚し,近医耳鼻科を受診したところ,CT検査で術後性囊胞を疑われ,マクロライド系薬を投与されたが改善せず,徐々に左頰部・眼周囲の疼痛が増強し,開眼しにくくなったため当院を紹介受診となった.
身体所見:意識清明,バイタルサインは異常なし.左頰部の腫脹・熱感を認め,同部位に自発痛・圧痛あり.
検査所見:WBC 12,900/μl, Hb 12.4g/dl, CRP 3.2mg/dl, β-D-glucan 72.4pg/ml.頭部造影CT(図1)では左上顎洞に軟部組織濃度の腫瘤,上顎洞後壁,左眼窩下壁に骨破壊を認め,病変が左上顎洞の後下方や左眼窩内へ進展している.
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