JIM Lecture 法医学教室直伝―日常診療を「解剖」する!④
死亡診断書・死体検案書のリスクマネジメント
古川 智之
1
1滋賀医科大学社会医学講座法医学部門
pp.536-538
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102553
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
第4回は,死亡診断書・死体検案書についてのお話です.
死亡診断書(死体検案書)を発行し遺族がその書類を役所に提出した時点で,その方の人生は書類上終了します.「この書類を持って明日役所に提出してください」と遺族に伝え書類をお渡しするのですが,「本当に明日提出してくれるのかな」と不安になることもあります.その予感は的中.半年くらい前でしょうか,書類を提出せずご遺体を自宅で保管するといった事例が報道で取り上げられましたね.実はこの死亡診断書(死体検案書),大変重要な書類です.法律上の問題として,人の死の判定あるいは確認の違いによって,退職金,年金,保険金などの査定での年数算定において1年もの違いが生じたり,財産相続についても各種の法規・法律の適用にあたって重大な影響を及ぼすことになります.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.