メンタルクリニック便り・1【新連載】
いまどきの「うつ」の背景
市村 公一
1
1あおばメンタルクリニック
pp.539
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102554
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■はじめに
「うつ病患者100万人時代」などといわれ,総合診療科や一般内科など本誌読者の先生方の外来でも,抑うつ気分や意欲低下,また食欲低下や倦怠感などを訴える患者は少なくないと思います.内科的に問題なければ,精神科や心療内科の受診を勧められるかと思いますが,精神科の敷居が低くなったとはいえ,「精神科は,ちょっと」と難色を示されるケースもおありでしょう.勢い,「じゃ,私が診ましょう」ということもあるでしょうし,もっと積極的にメンタルの問題に取り組んでおられる先生も大勢いらっしゃることと思います.
しかし,最近の「うつ」は先生方が学生時代に大学で,また医師になってから講習会などで教わった「うつ病」とは,何か違うと感じられることが多いのではないでしょうか.私は2009年4月に横浜青葉区で精神科・心療内科のクリニックを始めましたが,私も学生時代,また精神科の研修を始めた当初に教わったうつ病の患者にお目にかかることは滅多にありません.皆無といっていいくらいです.
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