Editorial
国を挙げて医療の国際化を
福井 次矢
1
1聖路加国際病院
pp.1
発行日 2012年1月15日
Published Date 2012/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102380
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最近になって,いやおうなしに海外の医療事情に触れざるを得ない機会が増えてきた.外国の病院を個別に訪問すること以外に,過去2年間,日本病院会国際委員会の委員として,アジア病院連盟や国際病院連盟の会合にも出席させていただいた.
アジアの国々をはじめ多くの国々では,すでに多数の病院がJCI(Joint Commission International)を受審し認定されていて,その背景にはメディカル・ツーリズムへの関心が強いことをまざまざと感じた.一方,わが国のJCI認定病院は亀田総合病院とNTT東日本関東病院の2病院のみで,今やほぼ世界標準とみなされる第三者病院評価のなかの枠組みでも,日本の著しい出遅れ感は否めない.海外では日本人の寿命が世界一であることを知っている人は多いが,その要因は健康的な日本食と清潔な環境衛生にあるのではないかと漠然と考えることはあっても,医療が多くの分野で高いレベルにあることはほとんど知られていないようである.
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