Coffee Break
国際化への道
本間 之夫
pp.208
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901764
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世は国際化を時代のテーマとしている。特に日本では,さまざまな分野での国際化を図るべく,英語教育の見直しや人的交流の促進などが推進されている。
しかし,前立腺肥大症ひとつをとってみても,国際化を図ることは容易なことではない。協議の場でのAUAの力強さには,毎度のことながら圧倒されてしまう。これに抗する西欧のパワーも相当なものだ。いわゆる小国も活性が高い。これに対し日本は影が薄い。数が問題ではない。肉食と草食,狩猟民族と農耕民族,論理的かつ外への発想と情緒的かつ内への発想といった,肉体的・精神的な国民性の違いが大きいのだろう。特に,患者やパラメディカルとの接触の多い医師であればあるほど,欧米流には違和感を感じるに違いない。泌尿器科学が臨床医学である以上,それでもいいではないかという考えもあるだろう。とはいえ,研究成果や医療機器の大幅な輸入超過を抱える日本の医療の姿はいかにも情けない。
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