特集 痛みで困ったとき
対応に苦慮する痛みの診断と治療
線維筋痛症
村山 隆司
1
1社団法人石川勤労者医療協会城北病院リウマチ科
pp.994-995
発行日 2011年12月15日
Published Date 2011/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102363
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線維筋痛症は,身体の広範な部位の筋・骨格系の慢性疼痛とこわばりを主症状とし,四肢・体幹の広範囲な部位に圧痛を認める.圧痛以外,他覚的ならびに一般臨床検査所見に異常がなく,疲労感,睡眠障害や抑うつ症状など多彩な身体および精神・神経症状を伴う.厚労省研究班による全国疫学調査では,人口比1.7%という高い有病率にもかかわらず,医療従事者にも疾患概念の認知度が低いため,診断不明,あるいは他の疾患として扱われたりして適切にケアされていない患者も多く存在する.また,患者周囲でも理解を得ることが難しいため,精神的にもつらい状況に陥ることも少なくない.その結果,ドクター・ショッピングを繰り返す患者が多く存在する.
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