1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?
線維筋痛症
田口 徹
1
1新潟医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科
pp.389
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201518
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線維筋痛症(fibromyalgia:FM)は全身性の激しい恒常的な疼痛を主症状とする慢性難治性疾患である.本邦での罹患者は人口の1.66%(約200万人)と推計され,女性優位の性差を示す(男:女=1:4.8).発症・受診年齢は男女とも平均45〜50歳であるが,10歳台での若年性発症例もある1).
FMは圧迫による痛み(圧痛)を特徴とし,全身に定められた18か所のうち11か所以上に圧痛点が存在することが診断基準の1つとなっている2).FMでは通常の痛み刺激をより強い痛みとして知覚する「痛覚過敏」や,通常は痛くない刺激を痛みとして知覚する「アロディニア」を呈し,痛みへの感受性が量的かつ質的に亢進している.痛みは筋腱移行部や関節などの深部組織(運動器)に顕著であり日常生活が著しく制限されるため,理学療法士が本疾患に果たすべき役割は大きい.
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