構造と診断 ゼロからの診断学・19
リンパ節腫脹とデジタル
岩田 健太郎
1
1神戸大学医学部感染症内科
pp.860-865
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102323
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■学生が「ローレンス・ティアニーの書いた教科書の記載がおかしい」とメールを送ってきた.リンパ節腫脹の解釈が間違っているのではないかというのである.リンパ節腫脹がある疾患はたくさんあるのに,ティアニーはリンパ節腫脹をきっかけにある患者の診断に至った(それは悪性リンパ腫であった).納得できないと学生は言う.『ハリソン内科学』を開くと,リンパ節腫脹をきたす疾患は山とある.リンパ節腫脹をよりどころに問診と身体診察だけで診断に至るというのは無理があるのだと学生は難じる.
■若気の至り.直感的にぼくはそう思った.おそらくはティアニーの意図するところがうまく咀嚼できていないのだろう.だから,そのような解釈に至ったのだろう.
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