風邪の総合診療
[6]局所不明瞭・高熱のみ型(熱+α,α≒0?) 後編
岸田 直樹
1,2
1手稲渓仁会病院総合内科
2手稲渓仁会病院感染症科
pp.854-859
発行日 2011年10月15日
Published Date 2011/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102322
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
前回は「局所不明瞭・高熱のみ型」として,「急な発熱を認めるものの,感染のフォーカスを示す局所臓器症状(つまり,咳・鼻汁・咽頭痛・腹痛・下痢など)をはっきりと認めない場合」について考えてみました.このカテゴリーでの鑑別のなかで重要なのは敗血症で,とくに菌血症まできたしている場合であり,そのような患者さんを拾い上げるコツとして“止めようと思っても止まらないほどの悪寒戦慄”の病歴1)が重要であることを確認しました.また,日本は医療アクセスが世界最高水準なため,病初期で受診しやすく,局所臓器症状を認めにくい場合が多いのですが,このようなカテゴリーの疾患はむしろ決まっているため,再度それらの疾患を疑いの目で診察し直すことの重要性を確認しました.
では,具体的に病歴・身体所見の感度を上げるためには,どのように診察をしたらよいでしょうか? 局所臓器症状を認めにくい感染症のそれぞれに対して,それらの疾患を診断する臨床のコツについて検討したいと思います.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.