総合外来
困難事例の共有と振り返り―エクストリーム困難事例への挑戦
朝倉 健太郎
1
1健生会 大福診療所
pp.746-751
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102291
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地域のなかで遭遇する健康問題は多岐にわたるが,医学的診断・治療の枠組みだけでは解決できない困難事例も少なくない.もはや「健康問題」とは言えないような問題が背景に潜んでおり,心理社会的な問題が相応の歴史のなかで複雑に絡みあっている.その問題を一つひとつ解きほぐしていく過程は,絡み合った毛糸玉の糸をもとに戻す作業と同じかもしれない.もつれた糸を丹念にほぐしていくのに,引っ張った糸がまた別のところで結び目を作ってしまう.ややもすれば,いっそ毛糸を切ってしまいたくなる思いに駆られる.
エクストリーム困難事例に関わろうとする私たち医療者にとって,求められることがあるとすればどのようなことであろうか.システム自体が崩壊したChaosの状態に共通した解決方法があるとは思いにくいのだが,何か解決の糸口になるものはないだろうか.エクストリームな2つのケースをもとに,それらについて検討していきたい.
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