特集 エクストリーム困難事例への挑戦
各論
健康格差と社会的決定要因を意識したプライマリ・ケア―ソーシャルワークの視点から
李 龍姫
1,2
1カルガリー大学社会福祉学部
2川崎協同病院産婦人科
キーワード:
ソーシャルワーク
,
健康格差
,
健康の社会的決定要因
Keyword:
ソーシャルワーク
,
健康格差
,
健康の社会的決定要因
pp.718-722
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102284
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Case
患者:27歳の女性.生来健康.
同居しているパートナーとの間に妊娠が判明したが,どこにも受診せず.パートナーからの相談で保健所の助産師から当院に連絡があり,関わることになった.当院を初診し分娩予定日を決定したものの定期的に受診せず,数回電話をかけ受診を促したが反応なし.自宅訪問したところ居留守を使うこともあった.妊娠後期になり骨盤位であることが判明.当院では帝王切開術による分娩となることを説明したところかたくなに拒否.骨盤位の経腟分娩を試みる施設宛ての紹介状を渡したが結局受診せず,受けられないと断られた.分娩予定日を超過して陣痛が発来し,当院ではなく自宅近くの総合病院を初診.緊急帝王切開術にて分娩に至った.いわゆる飛び込み分娩で緊急手術となったケースである.
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