特集 エクストリーム困難事例への挑戦
総論
複雑な臨床問題の構造と困難事例へのアプローチ
藤沼 康樹
1,2
1生協浮間診療所
2医療福祉生協連家庭医療学開発センター(CFMD)
キーワード:
複雑性
,
INTERMED
,
患者中心のコミュニケーション
,
チームビルディング
,
地域の力
Keyword:
複雑性
,
INTERMED
,
患者中心のコミュニケーション
,
チームビルディング
,
地域の力
pp.712-717
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102283
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Case
55歳の男性患者が糖尿病性ケトアシドーシスで入院した.糖尿病以外に,高血圧症,アルコール依存症,喫煙,虚血性心疾患があった.小さな靴製作工場に長く務めていたが,不景気でリストラ対象となり,現在失業保険で暮らしているとのことであった.病状説明のために呼び出した妻は中国出身の35歳で,日本語が不自由であったが,自分がうつ病で精神科にかかっており,夫の退院を伸ばしてほしいとのことであった.また同居している80歳の患者の母がアルツハイマー病で,訪問看護を受けていることがわかった.訪問看護師からの情報では,家は狭く衛生状態が非常に悪いとのことであった.また15歳の娘がいるが,最近高校を退学してしまったとのことであった.
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