特集 めまいがするんです
【漠然としためまい感(lightheadedness)】
慢性に経過する高齢者のめまい感への対処法
藤原 靖士
1
1奈良市立月ヶ瀬診療所
キーワード:
患者の不安への対応
,
認知症の評価
,
介護保険
,
患者に寄り添う
Keyword:
患者の不安への対応
,
認知症の評価
,
介護保険
,
患者に寄り添う
pp.953-956
発行日 2010年12月15日
Published Date 2010/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102055
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Case
神経内科と併診しながらもふらつきの訴えが一進一退の80歳台女性
現病歴:高血圧症,腰痛症などで通院していた200x年12月に夫が亡くなり,翌200y年2月より,「ゆらゆらして歩きにくい」という.小刻み歩行,軽度の筋固縮を認め,パーキンソン症候群を疑い,神経内科受診を勧めたが,本人に断られた.抗パーキンソン薬を投与し,少しは歩きやすくなったという.しかし,畑仕事や知人との面会の後はふらつきが強くなり寝込んでしまうので,6月に神経内科へ紹介し受診した.症状は2月からとくに進行していないが,パーキンソン症状については,パーキンソン病とは診断できないが投薬継続を指示された.その後も「ゆらゆらする」という訴えは,良くなったり悪くなったりしながら調子のよい時は畑仕事をしていた.
200y年の翌年,200z年4月某日朝,家族と話していると急に話さなくなり,右手がだらんと力が抜けた.歩行時にも右足が上がりにくい.2時間後,診療所受診時には杖歩行が可能で麻痺は認めなかった.一過性脳虚血発作を疑い,神経内科へ入院精査.MRIでの陳旧性の脳虚血性変化はあったが症状の再発はなく,一過性脳虚血発作と診断.それまでの「ゆらゆら」はパーキンソン症状とも,抗パーキンソン薬での起立性低血圧とも疑われた.
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