特集 病理診断に親しもう!
【スペシャル・アーティクル】
病理診断の最先端―ALK陽性肺癌:診断法の開発
竹内 賢吾
1
1(財)癌研究会癌研究所 分子標的病理プロジェクト
キーワード:
分子標的療法
,
分子標的の病理診断
,
EML4(echinoderm microtubule associated protein-like 4)-ALK(anaplastic lymphoma kinase)
,
融合遺伝子
,
ALK陽性肺癌
,
抗ALK免疫染色法
,
iAEP(intecalated antibody-enhanced polymer)法
Keyword:
分子標的療法
,
分子標的の病理診断
,
EML4(echinoderm microtubule associated protein-like 4)-ALK(anaplastic lymphoma kinase)
,
融合遺伝子
,
ALK陽性肺癌
,
抗ALK免疫染色法
,
iAEP(intecalated antibody-enhanced polymer)法
pp.611-614
発行日 2010年8月15日
Published Date 2010/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101976
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2010年6月4~8日,シカゴで第46回米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)が開催された.癌に携わる医師,研究者そして企業が一堂に会する世界最大級の学会である.今年のASCOでは,EML4-ALK融合遺伝子を有する肺癌に対するALK(anaplastic lymphoma kinase)阻害剤(crizotinib)による分子標的療法が大きく取り上げられ,本学会最大の話題となった.
分子標的療法においては,患者の腫瘍が当該分子標的を有しているかどうかを,治療前に判定することが重要である.判定法にはさまざまなものがあるが,病理診断で確定がなされる固形癌の場合,病理切片を用いる方法が簡便である.この場合,過去に採取した生検あるいは手術摘出検体が使用できることから,患者に対して侵襲による新たな負担をかけないという利点もある.
本稿では,ALK陽性肺癌に対する分子標的療法が普及しつつある現状を踏まえて,筆者らが開発した抗ALK免疫染色法について概説する.
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