いま知っておきたい! 内科最新トピックス (第1章)呼吸器
ALK陽性肺がんの第二世代治療薬とその問題とは
木浦 勝行
1
,
久保 寿夫
1岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科
キーワード:
肺腫瘍
,
臨床試験
,
新薬開発
,
Crizotinib
,
Alectinib
,
Anaplastic Lymphoma Kinase
,
Ceritinib
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Lung Neoplasms
,
Drug Discovery
,
Anaplastic Lymphoma Kinase
,
Crizotinib
,
Ceritinib
,
CH5424802
pp.985-990
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016044814
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米国の最先端施設では,ALK陽性肺がんの全生存期間中央値は約4年と報告されている.第一世代ALK阻害薬crizotinibは奏効率74%,無増悪生存期間(PFS)13.6ヵ月と優れた効果を示したが,二次変異あるいは側副経路活性化でほぼ例外なく再発し,その効果は限定的であった.第二世代alectinibの奏効率(93.5%),PFS(27.7ヵ月以上),有害事象を第II相試験の結果で比較する限り,crizotinibより優れ,中枢神経系転移を含むcrizotinib耐性例の約半数にも有効である.米国では,ceritinibはcrizotinib再発・不応例の二次治療としての地位を確立している.第一・二世代ALK阻害薬と化学療法・免疫療法の包括的長期治療戦略が望まれる.
©Nankodo Co., Ltd., 2015