特集 薬にまつわる疑問に答える
耳鼻咽喉科頭頸部外科の症状別の薬
嚥下障害
上羽 瑠美
1
Rumi Ueha
1
1東京大学医学部附属病院摂食嚥下センター
キーワード:
嚥下障害
,
サブスタンスP
,
ドパミン
,
TRPチャネル
Keyword:
嚥下障害
,
サブスタンスP
,
ドパミン
,
TRPチャネル
pp.1223-1226
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000312
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はじめに
超高齢社会を迎えて,摂食嚥下での安全性の確保が重要な課題となっている。2019年のわが国の人口統計では嚥下障害による “誤嚥性肺炎” が死因の第6位となった1)。脳卒中,神経筋疾患,術後患者や高齢者に嚥下機能障害を認めることが多いが,このような患者は多数の薬剤を服用していることが多く,ポリファーマシー(多剤服用の中で害をなすもの)に注意が必要とされ,摂食嚥下機能を考慮した薬剤処方が望ましい。本稿では,嚥下運動の機序,とくに嚥下惹起の機序をはじめに解説し,続いて,副作用として嚥下障害を生じうる薬剤と,嚥下障害に対して何らかの効果が期待できる薬剤について説明する。
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