特集 咳、痰のみかた
咳と痰の原因となる疾患とは
薬剤性咳嗽
上出 庸介
1
Yosuke KAMIDE
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター
キーワード:
ACE阻害薬
,
ブラジキニン
,
サブスタンスP
,
NSAIDs
Keyword:
ACE阻害薬
,
ブラジキニン
,
サブスタンスP
,
NSAIDs
pp.1187-1189
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_1187
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Summary
▪薬剤性咳嗽の原因はいくつもあるが,とくにアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬が重要である.
▪ACE阻害薬は乾性咳嗽,咽頭部異常感覚を特徴とし,5~35%の発現頻度で発症し,とくに女性,アジア人,高齢者,非喫煙者,心不全患者で多い.
▪ACE阻害薬による咳嗽は,ブラジキニン,サブスタンスP,プロスタグランジンなどの関与が報告されているが,全貌は明らかになっていない.
▪ACE阻害薬をはじめとする薬剤性咳嗽の治療は,被疑薬の中止が原則である.
▪咳感受性亢進による咳嗽発作ではないが,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)過敏喘息(アスピリン喘息)に生じる薬剤誘発性喘息発作に伴う急性咳嗽は,疑うことが重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018