特集 からむ痰,うっとうしい咳
【診断】
喀痰の細胞診の行いかたは?
手塚 文明
1,2
,
濱中 貴久子
2
1国立病院機構仙台医療センター臨床研究部
2国立病院機構仙台医療センター臨床検査科
キーワード:
喀痰細胞診
,
肺癌
,
肺感染症
Keyword:
喀痰細胞診
,
肺癌
,
肺感染症
pp.26-28
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101597
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Case
からむ痰を伴った早期肺癌の1例
患者:74歳,男性.
現病歴:25歳から喫煙を始めほぼ50年間毎日18本ほど吸っていた.1月頃から痰がからむようになり近医を受診したが,胸部X線検査で異常がないといわれた.9月初旬に集団検診を受け,胸部X線検査で無所見なるも喀痰細胞診で class Ⅴ(癌,扁平上皮癌の疑い)との判定が出たので(図1),オカルト肺癌(J2)の疑いで当院紹介となった.9月29日に気管支ファイバースコープで左肺上区入口部に軽度の粘膜隆起を認め,擦過細胞診でclass Ⅴ(扁平上皮癌)と診断された(図2).
治療:11月16日に左上葉切除を施行.上区支に大きさ5×2×10mmの上皮内癌(中分化型扁平上皮癌)を確認した(図3).進行期は0期(Tis/N0/M0),現在術後4年を経過して再発も転移もみられていない.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.