Editorial
エビデンスを自ら創生して診療に自信を
伊藤 澄信
1
1国立病院機構本部医療部
pp.1
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101591
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小学4年生の時まで小児喘息を持っていたためか,咳と痰には奇妙な親近感がある.あの当時,吸入ステロイド治療薬などはなかったから,非選択性のβ刺激吸入薬が唯一の救いであった.透明で多量な(子ども心には多量に感じた)痰が出ると,死ぬかもと思うほど苦しかった呼吸が楽になったことをいまさらながらに思い出す.
咳と痰だけをターゲットにして本特集を構成したが,知らないことが多いのには少し驚いた.急性気管支炎に有効な治療薬のエビデンスはデキストロメトルファン(メジコン(R))しかなく,リンコデ(リン酸コデイン)の有効性はないとか,禁煙治療薬にバレニクリンが加わったこととかである.
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