特集 医師に必要な臨床栄養学
【スペシャル・アーティクル】
ビタミンD不足について
村上 不二夫
1
1山口大学医学部附属病院総合診療部
キーワード:
ビタミンD不足
,
副甲状腺ホルモン
,
骨粗鬆症
,
25(OH)ビタミンD
,
ビタミンD合成
Keyword:
ビタミンD不足
,
副甲状腺ホルモン
,
骨粗鬆症
,
25(OH)ビタミンD
,
ビタミンD合成
pp.948-951
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101558
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ビタミンDについて
体内に多く存在するビタミンDは25(OH)ビタミンD〔以下,25(OH)D〕であり,栄養素としてのビタミンDは肝臓で容易に25(OH)Dに変換されて血中に長期間とどまっている.ビタミンDの由来経路は,図1に示すように食物からの吸収と皮膚での合成1) である.しかし,食物から吸収できるビタミンD量は少なく,食事から十分な量を得ることは通常困難である.他方,日照により7-デヒドロコレステロールより皮膚で合成されて,必要なビタミンDは得られると考えられてきた.
しかし,皮膚でのビタミンDの合成には図2のようにさまざまな影響する因子があることが判明している.皮膚の色(人種の差)2),年齢3),季節4),肥満の有無4,5) により血中のビタミンD濃度が異なることが報告されている.また住んでいる緯度や季節により血中のビタミンD濃度は異なっており6),これらの因子はビタミンD合成能に影響すると考えられている.さらには化粧品に含まれる日焼け止め(sun screen)の使用の有無によっても異なるようだ.日照を得ることが困難な潜水艦の乗組員ではサプリメントを服用しても低いと報告されている1).
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.