特集 真夜中の総合診療
【真夜中の症状】
こむらがえり
野上 達也
1
1富山大学和漢診療学講座
pp.859
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101532
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突然,不随意にふくらはぎに起こる有痛性筋痙攣をこむらがえりという.健常人においても筋肉疲労などの際にしばしば経験されるありふれた症状ではあるが,発症機序は不明な点が多い.高齢者では夜間のこむらがえりの発症頻度が高く,睡眠障害などを起こしQOLを低下させる症状の1つとなっている.妊娠,糖尿病,尿毒症,肝硬変,脳血管障害後,下肢血流障害などにも高頻度に併発することも知られている.また,ループス利尿薬,β刺激薬,抗甲状腺薬などの薬剤の副作用として発症することがあり注意が必要である.
こむらがえりの発作予防・症状軽減を目的に行われる薬物療法として,欧米ではキニーネの有用性が繰り返し報告されている1).しかし副作用の問題もあり,本邦ではほとんど用いられていない.その他ビタミンE,マグネシウムの有効性が示されている1).また保険外使用ではあるがジフェンヒドラミン,ベラパミル,ジアゼパム,ガバペンチン,塩酸チザニジン,ダントロレンなども用いられている.
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