特集 不整脈診療ステップアップ
One more JIM
pp.780-781
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101511
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Q1 失神について教えてください.
A1 失神も心停止も意識を失って急に倒れるという点では同じで,周囲にいる人は非常にびっくりする.心停止は自然に回復することはなく,何らかの処置をしないと数分以内に死が訪れるが,失神では心停止も呼吸停止もなく,多くは自然に回復し良性である.失神はFramingham studyでは17年間で全人口の11%にみられ,70歳を過ぎるととくに多くなっている.
原因として多いのは血管迷走神経失神であるが,その他に頸動脈洞失神,起立性低血圧による失神など,血管性の血圧低下に関連して起こる.心臓に関連したものでは,心房粗動や心室頻拍などの高度の頻脈,大動脈弁口狭窄や肥大型心筋症などがある例で急に運動した時,あるいは洞不全など,大動脈への血液拍出量が激減して失神を起こす.心臓関連の失神は専門的な治療が必要であるが,血管性の失神は多くは自然に回復する.
一過性脳虚血でも短時間の意識障害が起こることがあるが,これは運動麻痺などの多くの神経症状を伴う.(五十嵐正男→p734)
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