特集 家庭医のためのメンズ・ヘルス読本
【ライフステージごとのアプローチ】
2.勤労男性のメンタルヘルス―うつ病を中心に
江花 昭一
1
1横浜労災病院心療内科
キーワード:
メンタルヘルス
,
うつ病
,
自殺
,
職場復帰
Keyword:
メンタルヘルス
,
うつ病
,
自殺
,
職場復帰
pp.140-143
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101347
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Case
リストラ(組織再編)を契機にうつ病を発症した男性
患者:52歳,男性,製造業に勤務.
現病歴:1年前,会社の組織再編の中で昇進し,やり慣れていた仕事を離れ,新しい事業部のリーダーになった.持ち前の几帳面,仕事熱心という性分を活かして一生懸命に新しい事業に取り組んだが,実績を残すことはできなかった.しだいに「次は自分がクビになるのではないか」と不安になり,「これまで会社に忠誠を尽くしてきたのに,52歳にもなってなぜこんな理不尽な目に遭わなければならないんだ」と不満に思い,会社への忠誠心も低下した.そうこうするうちに眠りが浅く,夢も多く,途中で目が覚めてしまうという睡眠障害が出現した.全身もだるくなり,朝からやる気が起きない症状も加わった.
うつ病と診断し,1カ月の休職と抗うつ薬の処方にて症状は軽快したが,復職の不安は残ったので,もとの職場に戻してもらい無事復職できた.
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