特集 メンタルヘルス時代の総合診療外来—精神科医にぶっちゃけ相談してみました。
【総論1】
現代社会において、なぜ心の健康(メンタルヘルス)が注目されているのか?
森屋 淳子
1
1東急病院心療内科
キーワード:
メンタルヘルス
,
自殺
,
うつ病
,
発達障害
,
健康生成論
,
PERMAモデル
Keyword:
メンタルヘルス
,
自殺
,
うつ病
,
発達障害
,
健康生成論
,
PERMAモデル
pp.954-957
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203305
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「これからは心の時代だ」と言われるようになってから、何十年も経ちました。内閣府の「国民生活に関する世論調査」1)でも、昭和54(1979)年以降は「物の豊かさ」よりも「心の豊かさ」を求める割合が多くなっています。日本は世界的に見ると、経済的に恵まれ、衛生・医療環境が整っているにもかかわらず、自ら死を選ぶ人が非常に多い国です。若者の自殺率の高さは非常に深刻で、15〜34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国(G7)では日本のみです。精神疾患による患者数も大幅に増えており、「うつ病」は30年前に50万人程度だった患者数が、現在では120万人を超えています。また、最近では「発達障害」と診断される子どもも増えてきました。
本稿では、心療内科医/総合診療医としてプライマリ・ケアの現場でメンタルヘルスに携わっていた立場から、現代社会においてメンタルヘルスで着目したい事柄について、簡単にご紹介したいと思います。
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