Editorial
元気な高齢者になるために
伊藤 澄信
1
1国立病院機構本部医療部
pp.813
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101222
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自宅の近くに都立の大きな公園がある.娘にせがまれてポメラニアンを飼うことになった.室内犬ではあるが,朝6時になると散歩に連れて行けと寝ている顔を舐めにくる.妻や子どもの代わりに土日は公園まで散歩につきあう生活をしている.昼間の公園には人がほとんどいないが,朝6時の公園はジョギングや早足で駆け抜ける60歳前後の団塊の世代以降の人たちで賑わっている.バーベルを両手に持って走る人,ご夫婦で走る人と運動のスタイルも人間模様もさまざまである.今まで,夜更かし朝寝坊の生活が,飼い犬のおかげで「健康的な生活」に変わったが生活のリズムはすぐには変わらない.
産科医不足など地域医療崩壊や高齢者比率の増加による医療費増加に歯止めをかけるための医療費適正化基本方針の話題に隠れているが,「高齢者医療は在宅で」という動きが加速している.医療法には病院や診療所などの管理者でさえ居宅などでの医療の提供や支援をするようにと書かれているし,薬剤師が調剤さえできるようになった.生活の場は診察だけでなく治療する場所となった.
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