特集 疾患・治療概念の最近の変化
【治療】
アトピー性皮膚炎でのタクロリムス軟膏
江藤 隆史
1
1東京逓信病院皮膚科
キーワード:
タクロリムス軟膏
,
灼熱感
,
ステロイド外用薬
,
酒査皮様皮膚炎
,
カポジ水痘様発疹症(J2)
,
セザリー症候群
,
ネザートン症候群
Keyword:
タクロリムス軟膏
,
灼熱感
,
ステロイド外用薬
,
酒査皮様皮膚炎
,
カポジ水痘様発疹症(J2)
,
セザリー症候群
,
ネザートン症候群
pp.686-687
発行日 2007年8月15日
Published Date 2007/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101198
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アトピー性皮膚炎(AD)の鑑別診断
セザリー症候群など皮膚T細胞リンパ腫は,紅皮症状態を呈し,重症ADと誤診される場合があります.難治のため,タクロリムス軟膏を用いたくなりますが,絶対に用いてはなりません.皮膚生検を実施し,リンパ腫に特有の病理組織像を示さないことを確認してから用いるべきで,あとで述べるようにタクロリムス軟膏は重症ではなく,中等症以下の皮疹に用いるべき外用薬といえます.
また,魚鱗癬様の皮疹を呈するネザートン症候群なども注意を要します.皮膚のバリア機能異常が著しいため,タクロリムスの血中濃度が高くなる危険性があり,腎障害などの副作用を起こしやすいからです.
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