Japanese
English
治療
タクロリムス軟膏が奏効した尋常性白斑の2例
Two cases of vitiligo vulgaris successfully treated with topical tacrolimus
岩垣 正人
1
,
河野 由美子
1
,
平田 靖彦
1
Masato IWAGAKI
1
,
Yumiko KONO
1
,
Yasuhiko HIRATA
1
1国立高知病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,National Kochi Hospital
キーワード:
顔面の尋常性白斑
,
タクロリムス軟膏
Keyword:
顔面の尋常性白斑
,
タクロリムス軟膏
pp.1030-1032
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101383
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症例1は48歳,男性.症例2は51歳,男性.ともに顔面の脱色素斑に対してタクロリムス軟膏の外用を行い,良好な色素再生を認めた.尋常性白斑の治療としては一般にステロイド外用やPUVA療法などが行われるが,難治例も多い.表皮移植などの外科的治療も有効であるが,ある程度患者への侵襲があり,手技が煩雑である.タクロリムス軟膏外用は簡便かつ安価で,患者に侵襲の少ない治療法であるといえる.尋常性白斑の原因としては,自己免疫説が広く受け入れられている.メラノサイトにおいてICAM-1などの抗原発現が増強し,好中球やT cellなどの免疫系細胞の反応が惹起され,その結果メラノサイトが破壊され白斑が生じるという機序である.本例でタクロリムス軟膏が奏功した機序は,T cellのサイトカイン産生抑制機能によるものと考えた.
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