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治療
タクロリムス軟膏によるアトピー性皮膚炎の治療―長期使用のレトロスペクティブ調査結果
Treatment of atopic dermatitis with tacrolimus ointment:retrospective study for long-term usage.
津嶋 友央
1
,
瀧川 雅浩
1
Tomohisa TSUSHIMA
1
,
Masahiro TAKIGAWA
1
1浜松医科大学皮膚科
1Depertment of Dermatology,Hamamatsu Medical University
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
タクロリムス軟膏
,
レトロスペクティブ調査
,
Kaposi水痘様発疹症
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
タクロリムス軟膏
,
レトロスペクティブ調査
,
Kaposi水痘様発疹症
pp.1033-1038
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101384
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【対象】1999年12月~2001年6月までにタクロリムス(PR軟膏)で治療されたアト ピー性皮膚炎(AD)患者344人.男性:女性≒1:1,平均年齢(中央値)27歳.顔面のみ 塗布例:80%,軀幹のみ塗布例:11%,顔面・軀幹塗布例:9%.塗布期間:1~18か 月.【治療開始時の重症度】顔面塗布患者では中等症が58%,軀幹塗布患者では軽度 が約半数,中等症が約40%.【1日あたりの外用回数】70%が1回/日で治療を開始 し,9割以上で塗布回数は変更なかった(平均観察期間,7か月).30%が2回/日で開始 し(平均観察期間:4.7か月),約70%が平均1.4か月で1回/日塗布になった.【1週間 あたりの外用日数】80%がほぼ毎日外用で治療をスタートした.3~5日/週群も含め て,半数以上で外用日数が減った.【月平均外用量】顔面塗布群では6g,軀幹塗布 群では5~15g.【重症度別改善度】顔面あるいは軀幹塗布群いずれも塗布開始3か月 後には,重症度ポイントが開始時の約半分になった.開始時重症度(重症,中等症, 軽症,軽微)別にみると,いずれの群でも,塗布3か月後にはポイントが半分あるい はそれ以下になっていた.【PR軟膏と因果関係がある副作用】刺激感,Kaposi水痘 様発疹症,単純ヘルペス,毛嚢炎,ニキビがみられた.Kaposi水痘様発疹症につい ては,ADの重症度,PR軟膏の外用回数,塗布量,塗布日数と発症しやすさとの間に は関連がなかった.
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