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特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003
2.皮膚疾患の病態
タクロリムス軟膏によるアトピー性皮膚炎の止痒機序―皮膚神経系因子の観点から
Anti-pruritogenic mechanism of tacrolimus ointment to atopic dermatitis in the special reference to neurogenic factors
豊田 雅彦
1
Masahiko TOYODA
1
1富山医科薬科大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Faculty of Medicine,Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
タクロリムス軟膏
,
神経ペプチド
,
substance P
,
神経成長因子
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
タクロリムス軟膏
,
神経ペプチド
,
substance P
,
神経成長因子
pp.45-50
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101231
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免疫抑制外用剤タクロリムス軟膏のアトピー性皮膚炎患者に対する有用性,特に止痒機序について,皮膚神経学的側面よりステロイド外用剤との比較において検討した.タクロリムス軟膏の外用により,表皮内substance Pおよび神経成長因子レベルの低下,ケラチノサイトにおける神経成長因子およびその高親和性レセプター(Trk A)の発現減弱,および表皮内神経線維数の減少などが認められた.さらにマウス脊椎後根神経節を用いたカプサイシン刺激による神経節からのsubstance Pの遊離は,タクロリムスにより抑制された.以上より,タクロリムス軟膏のアトピー性皮膚炎における止痒機序には,ステロイド外用剤と異なる,皮膚神経系因子(神経分布,神経ペプチド,神経成長因子など)の調節作用を介する系も関与していることが明らかとなった.
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