特集 片頭痛だけが頭痛じゃない
【ミニレクチャー】
脳脊髄液減少症
篠永 正道
1
1国際医療福祉大学熱海病院脳神経外科
pp.504-505
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101144
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脳脊髄液減少症/低髄液圧症候群は稀な疾患か?
脳脊髄液減少症は低髄液圧症候群と同一の疾患であり,しばしば髄液圧が正常であることや症状を引き起こすのは脳脊髄液減少であるので,脳脊髄液減少症の病名を用いている.頭痛の鑑別診断として稀な疾患とみなされているが,実はきわめてポピュラーな疾患である.
ほとんどの例が脳脊髄液減少症と診断されず,“うつ病”,“心身症”,“慢性疲労症候群”,“更年期障害”,“自律神経失調症”などと診断され,不適切な治療を受けているのが現状である.脳脊髄液減少症や低髄液圧症候群を知っている医師はきわめて少数である.この疾患を知っている医師でも,起立性頭痛,髄液圧低下,脳MRI検査でのびまん性硬膜肥厚の3徴が揃わないとこの疾患ではないとみなしているので,診断される例は稀になる.難治性の慢性頭痛には,かなりの数の脳脊髄液減少症が隠れているのではないか?
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