在宅医療技術の進歩15
在宅呼吸リハビリテーション
田中 一正
1
1昭和大学附属豊洲病院内科
pp.264-270
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101127
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
呼吸器障害者では,労作による酸素消費が大きく,呼吸困難を引き起こす原因となり,この呼吸困難のためにさらに労作困難となり,活動性の低下を招き,呼吸不全を増長する結果となる.呼吸リハビリテーションは単なる運動療法にとどまらず,社会福祉資源の活用による生活環境改善をも含め,医師,看護師,理学療法士,作業療法士,栄養士,ソーシャルワーカー,薬剤師,保健師などの医療専門スタッフとともに,介護に関係するケースワーカーやヘルパー,必要に応じて患者を支える家族やボランティアなど多くの人が参加して行われるチーム医療であることが必要である.
リハビリテーションの基本
リハビリテーションの基本は,不必要なベッド上安静による廃用症候群を予防し,離床に努めることにある.理学療法には関節可動域訓練,筋力増強運動,持久力運動,歩行訓練などがあるが,他動運動や持久力運動は緩徐に行う.また,心肺機能の低下を考慮して,可動域訓練や筋力増強運動も,施行後に痛みなどを生じない程度の負荷運動を心掛けることも必要である.
加齢ならびに身体機能の低下に伴って,誤嚥性肺炎を併発する場合が多くみられ,肺炎などの徴候が非定型的に潜在することを考慮して,嚥下機能も考えてのリハビリテーションが考えられる.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.