特集 Generalist必携 睡眠障害へのアプローチ
むずむず脚症候群と周期性四肢運動異常症
野沢 胤美
1,2
1虎ノ門病院神経内科
2昭和大学医学部神経内科
キーワード:
耐えがたい異常感覚
,
周期性四肢運動に伴う覚醒反応
,
睡眠ポリグラフ検査
,
ドパミンニューロン
Keyword:
耐えがたい異常感覚
,
周期性四肢運動に伴う覚醒反応
,
睡眠ポリグラフ検査
,
ドパミンニューロン
pp.226-230
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101119
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Case
日中の眠気を主訴に来院した症例
患者:50歳,男性,会社員.
現病歴:40歳頃より夕方帰宅時に電車の座席に座っていると両下腿に“むずむず”する異常感覚が出現することがあり,手で擦ったり,払いのけることがあった.この異常感覚は電車を降りて歩き出すと消失した.また就寝時にも異常感覚が出現することがあり,臥床した状態で下肢の屈曲,伸展を数回繰り返すことがあったが,そのために入眠ができないことはなかった.45歳頃より会議中に眠気に襲われ,隣席者に突かれて覚醒することがあった.車の運転中にも眠気に襲われることがあり,車を止めて仮眠することがたびたびみられた.睡眠時間は平均6時間とっているが,朝,起床時は熟睡感がなく頭がすっきりしないことがあった.最近,家族より「いびき」がうるさく,呼吸が止まっていると指摘されて,「睡眠時無呼吸症候群」が心配とのことで受診した.
身体所見:身長173 cm,体重79 kg,扁桃肥大なし,心音;正常,肺;副音なし,腹部;触診上は異常なし.神経学的検査では脳神経系には異常はなく,深部反射,表在感覚,深部感覚には異常はみられなかった.Epworth sleepiness scale(ESS)による眠気の客観的評価では18(10以上は異常)であった.
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