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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠症の鑑別
むずむず脚症候群・周期性四肢運動障害
Restless legs syndrome/periodic limb movments disorder
井上 雄一
1
Yuichi INOUE
1
1睡眠総合ケアクリニック代々木理事長,東京医科大学睡眠学講座
キーワード:
むずむず脚症候群(RLS)
,
周期性四肢運動障害(PLMD)
,
ドパミンアゴニスト
,
augmentation
,
α2δリガンド1
Keyword:
むずむず脚症候群(RLS)
,
周期性四肢運動障害(PLMD)
,
ドパミンアゴニスト
,
augmentation
,
α2δリガンド1
pp.971-978
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28110971
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むずむず脚症候群(RLS)は,夜間の下肢の運動促迫を主症状とする疾患で,これに加えて睡眠中に生じる反復性の下肢の不随意運動〔周期性四肢運動(PLMs)〕を高頻度に随伴し,強度の不眠,抑うつ・不安症状,心血管系合併症をきたす可能性がある.本症候群は症候性(二次性)と特発性に分類され,前者では末期腎不全やパーキンソン病患者,妊娠中の女性で有病率が一般人口の数倍に達することが知られている.後者ではいくつかの遺伝学的特性,中枢ドパミン系神経の機能異常,鉄欠乏などがその病態生理に関与している可能性が推測されている.RLSの治療では,ドパミン受容体作動薬(DA)の効果が最も優れているが,DAは長期連用下で治療前より症状が悪化するaugmentationという現象をきたす可能性があるため,その使用には慎重を期する必要がある.これに代わって,近年では中枢神経の興奮を抑制するα2δリガンドのRLS治療における重要性がクローズアップされており,鉄剤による治療の可能性も検討されている.
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