在宅医療技術の進歩24
筋ジストロフィーの在宅人工呼吸
多田羅 勝義
1
Katsunori Tatara
1
1独立行政法人国立病院機構徳島病院小児科
pp.1064-1066
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101088
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筋ジストロフィーは全身の筋肉が進行性に破壊されていく疾患である.筋力低下はやがて呼吸筋に及び,換気不全が必須となる.したがって,その対応について,人工呼吸をはじめとした呼吸管理の重要性はいくら強調してもしすぎることはない1).さらに,この人工呼吸には原則として離脱がない.そんななかで,在宅人工呼吸(home mechanical ventilation : HMV)という選択が増加していったのは当然と言っていいであろう.
現在,日本においてこの筋ジストロフィー医療の中心となっているのは,専門病棟を持ち,政策医療として実施している国立病院機構の27施設(以下,専門施設)である.同施設群には2003年10月の時点で約2,000名の患者(うち人工呼吸実施者が47%)が入院しており,また約300名がHMV中である.
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