今日からできる思春期外来8
小学5年のクラス替えをきっかけに発症した抜毛症例―かかりつけ医としての対応と2年間の経過
坂口 祐助
1
Yusuke Sakaguchi
1
1坂口こどもクリニック
pp.704-707
発行日 2004年8月1日
Published Date 2004/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101006
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疾病などの問題をもつ小児のケアでは,その問題だけに目を向けるのではなく,成長発達する子どもの心身全体を考え,それに人間関係や取り巻く環境も加味して,調和の取れた最善のケアがなされることをめざす.当然,人間関係や環境に問題があれば,その改善に努める必要がある.このようなケアをイメージした外来(乳幼児健診や一般診療など)で子どもと継続してかかわっていけば,思春期で問題が生じた場合でも,それまでの信頼関係や情報を基に,より機微に触れる対応が可能と思われる.
これまでは,心理社会的問題や行動上の問題などは多大な時間とエネルギーを必要とするので,専門医を紹介してかかわりを避けることも多かったと思うが,これからは,かかりつけプライマリ・ケア医にしかできないその子どもの時間的トータル・ケアとして,子どもと家族とその周囲の社会にできる限りかかわっていく方向に向かうべきであろう.
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